平成9年度 「都市旅客効率化のための交通施設連携計画・整備方策」
調査の目的
都市旅客交通問題については、道路渋滞、鉄道混雑、高齢者・障害者対策、騒音・大気汚染等の環境問題、交通事故など多くの課題を有しており、これらに対応した効率的な交通体系の整備が急務となっている。これらの課題に適切に対応していくためには、交通機関ごとにそれぞれ必要な施策を推進していくことが必要であるが、これに加えて各交通機関の連携によるマルチモーダル推進施策を円滑に実施する必要がある。
そこで、本調査においては、都市における旅客交通の効率化を図るため、各地域におけるマルチモーダル施策の導入促進に資することを目的とし、その実現方策を検討するものである。
調査の概要
本調査は、国土庁及び運輸省、建設省の3省庁が共同して国土総合開発事業調整費(調査の部)にて実施した調査であり、実施にあたっては別表の調査委員会を設置した。
(平成8年度)
(1)都市の基本特性と交通特性の現況把握
地方中枢都市、地方中核都市等を中心とする地方圏の90の都市圏を対象にして、都市の基本特性と交通利用の特性との関連性について現況を分析した。
(2)交通機関の連携に関する都市旅客効率化の課題
三大都市圏の周辺地域及び地方圏の人口10万人以上の都市及び主要観光都市の交通政策担当者を対象にアンケート調査を実施し、交通機関の連携による都市旅客効率化施策の実施状況、交通機関の連携施策と都市旅客効率化の関連について、現状の問題点と課題を検討した。
(平成9年度)
都市交通施策実施上、大きな課題とされる社会的合意形成について、国内13事例、海外8事例を取り上げ、それらの事例から、適用方法、手順を分析し、マルチモーダル施策導入の手引きとした。
事例の整理に当たっては、対象となる都市交通施策、施策実施に伴い利害関係の生じる関係者、適用された社会的合意形成手法を明らかにして分類し、どのような施策を導入し、どのような利害関係が発生する場合に、どのような社会的合意形成手法がどのように適用されたかを明らかにした。
委員名簿
委員長 太田 勝敏 東京大学大学院工学系 教授
委 員 秋山 哲男 東京都立大学工学部 講師
〃 家田 仁 東京大学大学院工学系 教授
〃 石 太郎 VERTIS事務局 部長
〃 太田 弘子 埼玉大学大学院政策科学科 助教授
〃 久保田 尚 埼玉大学工学部 助教授
〃 竹之内祥子 (有)竹之内祥子事務所
〃 田中 重好 弘前大学人文学部 教授
〃 寺田 一薫 東京商船大学商船学部 助教授
〃 中村 文彦 横浜国立大学工学部 助教授
〃 屋井 鉄雄 東京工業大学工学部 教授 注)肩書きは委員就任時